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<<   作成日時 : 2007/05/10 22:53   >>

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小学生の頃、釣りを趣味にしていた時期がある。たしか5年生とか6年生の頃のことだ。近くの釣具屋さんでエサを買って、小さなクーラーボックスに入れ、釣り竿をかついで、自転車で10分ほどの「水門」までよく行った。

水門では「くちぼそ」がよく釣れた。少し芦の中に入ると「イナ」も釣れた。その後、リールというものの存在を知り、今度は「ハゼ釣り」を始めた。ハゼはよく釣れた。ちょっとやっただけで20匹ぐらいは釣れた。一度に2匹かかることもあった。調子に乗って、となり町のハゼ釣り大会にみんなでエントリーしてみたが、全然釣れないし、雨も降って散々だった。

あの頃は釣りの本も良く読んだ。釣りの本と行っても小学生向けの釣りの本だから、2色刷りの写真ばかりでたいしたことはないのだが、よく読んだ。それから「釣りキチ三平」もよく読んだ。テレビでも見た。夢中になって見た。子供ながらに、「魚紳さん」てすごい名前だなと思った。

ところで、あの頃のことを思い出すと、今ではとても信じられないことがいくつかある。そのひとつがエサだ。だいたい釣りのエサといえば、ゴカイとか赤虫である。どうして、魚はあんなものが好きなのかと驚くばかりだが、そのゴカイや赤虫を平気でさわっていた自分にびっくりしている。今では絶対さわれない

釣りのエサの中でも練りエサはいい。気持ち悪さがない。あのぷにょぷにょ感もいい。さらに、ルアーならもっといい。手が汚れなくてすむ。が、いけないのは魚本体だ。私は魚にもさわれない。気持ち悪いからだ。練りエサとかルアーとか気持ち悪さを改善させたものがあることはよいことだが、魚がダメだ。うろこがついているところもいけないし、妙にぬめっとしているところもいけない。動くところもいけない。・・・どうしてあの頃は平気だったんだろう。若気の至りとしか言いようがない。

こんな私とは対照的に、釣りが好きだという同僚がいる。その同僚も「ゴカイはさわれない」と言っていたので、そうでしょう、そうでしょうと少しホッとした。続けて同僚は、ふだん使うのは「紅サシ」だから大丈夫ですよと言う。ほー、釣りのエサも気持ち悪くないものに変わったんだなと思い、家に帰ってからネットで調べて愕然とした。こんなカブトムシの幼虫みたいなもののどこが大丈夫なんだ。しかも幼虫なのにピンク色をしている。完全に大丈夫ではない。

私が釣りをしなくなったのは小学6年生の終わり頃のことだ。中学生になってから釣りに行った記憶はないので間違いなくその頃だと思う。しかし、どうして釣りをやめたのかは覚えていない。もちろん、最後に釣りに行った日のことも覚えていない。

その後、「水門」にはジョギングでよく行った。水門はサイクリングコースの途中にあり、サイクリングコースこそ高校生の頃の私のジョギングコースだった。

サイクリングコースから見る夕陽はけっこうきれいだ。夕陽が川に映ってる様子もいい。ジョギングしながら、そんな夕陽を何度も見た。でも、最後に釣り竿をかついで、あの夕陽を見たのがいつかはもう思い出せない。小学生の頃、水門で、あの夕陽を見ながら私は何を考えていたのだろう。・・・きっと何も考えていなかったに違いない。小学生なんてそんなものだ。

だからこそ、ゴカイにも赤虫にも魚にもさわれたんだ! 今、突然、ひらめいた。まるで三平くんみたいなひらめきだ。魚紳さんにもほめてもらえるかもしれない。
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